2005年07月19日

月下闘舞SS。

エレンのプレを無事出しましたが、2ヶ月振りなのでかなり心配。
失敗して無いといいなぁ、としみじみ思う秋咲です。

大分前に小夜のシンピンをネタにSSを書くと言っていたのですが、本日やっと書き上げました。
もっと早くに取り掛かるべきだったのですが(苦笑
字数は1000字弱、シーンを切り抜いて書いているせいか短くなってしまいました。
では、虹のパパさんへ贈るSS、追記よりどうぞ。

三閃、月光に閃く刃が死人憑きを外すことなく捉える。
度重なって体を切り裂かれたそれは限界を迎え、一瞬動きを止めた後、糸が切れたようにその場へ倒れ伏した。
かりそめの命すら無くした死人は、もう動かない。
足元のそんな光景を、しかし霧島小夜は一瞥もしなかった。刀についた汚れを軽く振り払い、すぐさま次の死人へと斬りかかる。
踏み込みと共に放たれた日本刀の一撃は、掠めるように新たな死人憑きの体を袈裟懸けに斬った。だが、痛みを感じない死人は少しもその動きを鈍らせず、無造作に小夜めがけて爪を振り下ろす。
体の軸を少しずらしてこれを避けたが、避けきれずに小夜の着物の袖が裂かれる。
布を通して伝わるその感覚に歯噛みしつつ、お返しとばかりに刀を振るう。再び三つの軌跡が掠めるように死人憑きを捉えるが、たたらを踏んだだけで相変わらず爪や噛み付きで襲い掛かってくる。
そのことごとくを回避しつつ、小夜は視線を戦場の奥に移した。死人の群れを指揮するミイラの姿が満月の光を受けて視界に入ってくる。
黄泉人。知性を持つ高格の死人で、この戦い―京都決戦―の引き金となった存在である。
(あれさえ討ってしまえば戦いも楽になるのだろうが…)
そう思うものの実行には移せない。当初雑魚の死人を手早く片付けて黄泉人へ攻撃を加えようと考えていたが、それは死人達のタフさの前に断念せざるを得なかった。交戦前にかけてもらった闘気の力が尽きてしまったため、今黄泉人にたどり着いたところで、普通の武器以外を持っていない小夜には毛一本もダメージを与えられない。宵狐の爪は、届かない。
(正宗か何かでもあれば話は別だが…――っ!)
思考に耽ってしまっていた小夜の視界に、縦に振り下ろされる死人の腕が映った。反射的に後ろへ跳んで避けたが、今度は太股の部分の服を裂かれた。小夜自身が傷を追わなかったのは幸運だろう。
「余所見をしている暇は無い、か」
自分に言い聞かせるように呟く。今は自分にできることをするだけ。それ以外に道は無いのだ。
「…よし、では手早く行かせて貰うぞ」
無造作に繰り出される攻撃を避けつつ、不敵に唇の端を吊り上げる。横薙ぎに振るわれた爪を屈んで避け、再び刀を掠めるように三度疾らせる。
前のめりに倒れ、本当の死体になったそれを踏み越えて新たな死人が現れる。
月下に照らし出される闘いの舞は、まだ終わりそうに無い。
posted by 秋咲 楓 at 23:21| Comment(1) | TrackBack(0) | AFO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
カッコイイですよー、小夜さん〜。
『足元のそんな光景を〜』って所が痺れました!!
素敵なSSをおつかれさまでしたー。
Posted by 虹のパパ at 2005年07月20日 21:47
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